あたき達が（私達が）の子供ん頃の世の中は今とは物凄う違うとりました。現代社会は恐ろしか勢いで変化ばしよるごたあばってん、古か時代にあった色々な文化を忘れてしもうたら惜しかごたあ気がしとります。
　今の世の中からは子供達のあの明るか声や、自由に飛び回る姿が、街角から、野山から、田畑の中から何時の間にか消えてしもうとるごたあ気がしますとですたい。そげんな事(そんな事）は、ほんな（本当）事寂しかですたいね。そうじゃけん今は昔を思い出して見まっしょう。
今から凡そ50年前に遡ると、そこはもうあたき達の子供の時代ですたい。こげんな事を言うとあたきの年齢もばれてしまいますばってん、懐かしかあの頃の子供の遊びば思い出してみたかと思うとります。ばってん古か記憶の中からですけん、不確かな所もあるかもしれまっせん。中には俺達んとと少し違うとるバイ、と言う事もあるかも知れまっせんがこらえてつかあさい。（ごめんなさい。）
あたき達のこまか（小さい）頃は遊びとは自分だけの物ではなかったとです。多くの子供同士の社交場でもあったとです。そやけん、いろいろの遊びば知らんかったら皆の中に入れんやったとです。そいに（その上）遊びがうまか事が他の子供達の尊敬ば勝ち取る事になるとですたい。こん頃の遊びはたいてい外で遊ぶことが多かったけん、さっちが（必ず）体を使うことになり、とんぴんがったり、(飛び跳ねたり）おらんだり（叫んだり）して、にぎやかでしたたいね。そん上よーと（充分）勘ば働かせんと危なか事が沢山あっとです。最近の親が見ると、こーらけ（沢山）に目ばむくごたあ（様な）遊びがいくつもあったですもんね。もちろんその頃の親はそげん（そんなに ）何時もかつも子供の面倒ば見る事もでけんやったですから、そげな暇は無かったとですたい。毎日の生活をどげんやってしてゆくかで精一杯じゃったとです。ばってんその頃の子供たちの中では上級生が下級生の面倒をよう見てたですな。こまか子供にはなるだけあぶなかことをさせないよう気を付けていたごたあです。

そいなら幾つかの遊びを、はるか少年の時代に思いを馳せて紹介して見まっしょう。俺もそれでよう遊んだばいと言う人は、ご一緒に思い出してつかあさい。（皆さん博多弁がお分かりになりましたか。博多でも地域によって少しづつ異なっています。ただワープロで打つとなると文字変換が出来ず困ります。）